"The Black Rose shall bloom once more."
音声リンク第1回目は筆者のお気に入りでもある LeBlanc の Upon selection 時の台詞です。
この文を単純に直訳すると以下のようになります。
「その黒い薔薇はもう一度咲くだろう」
残念ながら、この直訳からは、原文のおもしろさは見えてきません。
はじめに LeBlanc のストーリー上の設定を簡単に紹介します。
彼女は Noxus という国の中で暗躍していた "The Black Rose" という魔女集団、秘密結社の Matron(リーダー)です。The Black Rose は Noxus の王政時代の政治を裏で操るほどの力をもった組織だったのですが、Noxus が軍事国家に変わった後、表向きは力を失い消滅したものとされています。しかし、実際は Noxus の地下に隠れ家を作り、また権威を奪還する日を伺っています。
そして、この LeBlanc という名前は、彼女の名前ではなく、The Black Rose の Matron に与えられた名前です。The Black Rose では Matron が世代交代をする際、LeBlanc という名を引き継ぎます。ゆえに、LeBlanc は不死とされています。
現在 ゲーム中に登場している LeBlanc 自身の名前は Evaine といいます。(諸説あり)
League Judgement を元に考えると、この Evaine は The Black Rose が衰退し、権力を失った後に 前任の LeBlanc (Emilia) からその座を引き継いだ人物だと思われます。
これらを踏まえてもう一度台詞を確認してみましょう。
まずお気づきの通り、彼女の言う "The Black Rose" とは花の薔薇ではなく、秘密結社 "The Black Rose" を示しています。
つまり、この台詞は「The Black Rose(結社)がもう一度復権する」ということを、「薔薇(花)がもう一度咲く」 にかけたダブルミーニングになっています。
そして、この台詞からは彼女の The Black Rose 復権にかける姿勢、また彼女の人柄も見て取れます。
英語には複数の未来を表すための助詞がありますが、この場では彼女は "shall" を使用しています。
仮にこの台詞が以下のように
"The Black Rose will bloom once more."
だったとしても、直訳では
「その黒い薔薇はもう一度咲くだろう」
であり、 原文の
"The Black Rose shall bloom once more."
「その黒い薔薇はもう一度咲くだろう」と差はありません。
が、しかし、この両者の文の示す「だろう」とは大きな差があります。
英語において "shall" を用いた未来形とは、簡単に言うと決定事項を示します。つまり、あなたの憶測や推察ではなくて、もうそれはすでに決められていることとして未来に存在しています。
"will" はあなたがそうする、またそうなるであろうと思っている意思があることを示します。つまり、実際のところそうなるかどうかはわからないけど、予想をしているというニュアンスです。
これらのことを踏まえると彼女の台詞には
「The Black Rose はもう一度復権します。(なお、それはもう決まったことであって絶対なんだけどね)」
という意味合いが込められていて、仮に will を使ったパターンであるのであれば
「The Black Rose はもう一度復権するだろう。(あくまで私の意思、予想であって場合によってはだめなこともあるかもしれないけどね)」
となり、その両者には彼女の The Black Rose 復興にかける気持ちの差が見て取れるのです。
つまり、この LeBlanc はかなりの自信家であり、また野心家でもあることがこの shall の用法からみてとれます。 まさにその姿勢は悪の秘密結社リーダーにふさわしく、より一層このLeBlancが恐ろしい力を未だに持っていることをこの台詞で私達に知らしめてくれます。
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